あの人にインタビュー - カウンセラー 岡部明美さん

カウンセラー 岡部明美さん

カウンセラー 岡部明美さん

岡部さんは、20代、30代をマーケティング・プロデューサー、プランナー、執筆、講演など、まさにキャリアウーマンとして八面六臂の活躍をされていました。そんな岡部さんに人生の大きな転機が訪れたのが1991年の春。 この年、岡部さんは長男出産直後に脳腫瘍と水頭症を発病し、生死の境を彷徨うという体験をされました。壮絶なる手術と闘病生活。手術によって一命は取り留めたものの、その後、無事回復できるかどうかは岡部さんの生命力にかかっていました。 その入院生活の中で行った様々な行動や体験が、現在の活動に繋がっていると岡部さんは言います。今回のインタビューでは、岡部さんがどういう体験をしたことでスピリチュアリティへと繋がっていったかを聞かせて頂きました。

(2006年12月25日)

>「肉体を持ったこの世界に戻りたくない」という体験<

術後、岡部さんは不思議な体験をします。麻酔から醒めて意識が戻るまで、岡部さんは、とても静かで、懐かしくて、幸せに満ちた場所にいたそうです。痰を吸引される痛み、紐で両手両足を縛られている肉体的痛みを感じながらも、意識は今まで体験したこともないようなやすらかな場所にいて、「もうここから戻りたくない」と岡部さんは感じていたそうです。

それでも、岡部さんは、お父さん、お母さんの呼び声で目が覚め、再びこの世界に帰ってきます。岡部さんは、あまりに激しい頭痛のために意識不明になり、その後、手術が行われたため、麻酔から覚めるまで、自分の病気のことは全く知らなかったそうです。

ある日、看護婦さんに言われた言葉に岡部さんは驚きます。岡部さんは、麻酔後の頭開手術前に、意識がないにも関わらず、岡部さんの頭髪を剃った看護婦さんに、目を閉じたまま、「私の髪の毛全部なくなっちゃうの? 悲しいなあ」と言ったというのです。

この二つの体験は、岡部さんの意識の変容を促すに充分でした。もうこの世界に戻りたくないと感じていたあの懐かしくて、やすらかで、幸せな場所とはどこだったんだろう。意識がないにも関わらず、看護婦さんに、髪を失う悲しみを訴えていた自分とは誰なんだろう・・・

岡部さんが目に見えない世界、スピリチュアルな世界に対する関心が生まれたのは、この二つの不思議な体験をしたことが大きなきっかけになったといます。

そして、今、ホリスティック医学、統合医療、代替医療などで盛んに言われている「自然治癒力」というのも岡部さんは、言葉よりも前に、先に体験があったそうです。

たとえば、笑いが免疫をあげることは今では科学的にわかっていますが、岡部さんは、入院中、色々な育児マンガ、楽しい育児エッセイを読んではゲラゲラ笑っていたそうです。

また、イメ-ジ療法は今ではもう有名ですが、岡部さんは、病室の暗い環境、雰囲気を明るくするために、病室の壁、窓のさんなどに赤ちゃんの洋服、絵本、おもちゃなどを飾って、自分が子育てしているイメージを毎日描いていたそうです。

「あの子がこの服を着るのだな。あの子にこの絵本を読んであげるんだな」と、様々なイメージを描くとどんどん気持ちが楽しく、元気になっていったといいます。

深夜にひとりでいると死の恐怖がどうしても出てきます。そんなとき、岡部さんは、波の音のテープを聴きなが呼吸法や瞑想をしたそうです。自然治癒力をあげる方法として、今では、呼吸法や瞑想は有名ですが、岡部さんは、当時はそんな知識もないのに自然にそういうことをしていたそうです。

闘病中、岡部さんは、今までの自分は、全然「今」を生きていなかったことに気づきます。いつも、1年後、2年後の仕事の計画。頭の中は未来の計画と、次にしなけれならないことでいっぱいだったそうです。

しかし、闘病中、もしかしたら、今日死ぬかもしれない、明日死ぬかもしれないという日々を送るうちに、人生は「今・この瞬間」しかないのだということに岡部さんは突然目覚めます。

そうしてみると、流れる雲を見ても、夜空に瞬く星を見ても、桜の花が散っていくのを見ても、涙があふれてしかたがなかったそうです。「今・ここを生きる」というのは、スピリチュアルな世界ではよく言われますが、岡部さんは、闘病中、まさに、「今・ここを生きる」ことの大切さを、体験を通して気づいたのです。

そして、今まで自分が死なずに生きてこられたことや、今こうして生きていること、自分が自分としてただ存在しているということが、途方もない奇跡のように思えたといいます。

岡部さんは今まで、すべてのことを当たり前のように思って生きてきたそうです。でも、自分でご飯も食べられず、下の世話まで人にしてもらい、歩くことさえできない体になって初めて、当たり前のことなんか何もないのだということに気づかされます。そう思えるようになると、見るもの、聴くもの、体験するもの、感じること、すべてがワクワクするような新鮮さがあったといいます。

岡部さんは、医師も驚くような奇跡的な回復力で元気を取り戻し、退院します。岡部さんは、この体験をしたことによって、現実の目に見える世界とは別に、目に見えない世界も確実にあることを実感し、その後、数年に渡り自己探求の日々を送ります。

この自己探求の日々は、スピリチュアルな世界に岡部さんが歩み出していくプロセスでした。岡部さんは、そのプロセスの中で、「人はそれぞれ、自分の魂の物語を生きていること」「人生には、大いなる存在の計らいというものがあるということ」を深く実感していったそうです。

岡部さんには、今後、コラムニストのお一人として、「スピリチュアルな旅で出会った”もの・人・場・言葉たち”」というタイトルでブログを書いてくださるようにお願いしました。

岡部さんは現在、ワークショップのトレーナー、セラピストのお仕事をする傍ら、物書きとしても活躍されています。前著『もどっておいで私の元気!』(善文社)は、隠れたベストセラーで、まもなく10刷になるそうです。

2007年には、新刊が出る予定だそうです。スピリチュアルな世界のことを、自分の体験からくる感性の実感をもとに言葉を紡ぎだしたいという岡部さんがどのようなブログを書いてくださるのかとても楽しみです。

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