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3月初めのちょうど東京も寒さが戻った頃に、再び塔ノ岳を訪れた。 山の上の方が白くなっているのは下からも見えていたが、実際にその風景のただなかに入っていくと、こんな世界が広がっていたのだった。 風は山をざわざわと鳴らして吹いていた。頂上に向かう...
林の中を続く古道を行くうちに、ぽっかりと展望が開けた場所に出る。見渡すかぎり、幾重にも山並みが遥か彼方まで連なり、広がり、続いている。この連なる山々の姿を背にして、ひっそりと古びた小さなお地蔵さんが立っている。以前この光景を写真で見て、この...
新宮市街地の西方にある山並みの南端に、神倉神社がある。 (写真:神倉山麓の鳥居) 鳥居の向こうには、急勾配の石段が立ちはだかっている。 この石段は源頼朝が寄進したものらしいが、姿形もまちまちな自然石がそのまま重ね固められたような造りで、くらくら...
かつては女人禁制だった高野山に対し、女性も受け入れた室生寺は「女人高野」と呼ばれてきた。 金堂では、ぷっくりした頬と切れ長の目、赤い唇が印象的な十一面観音像も見られる。 石段の下から見上げる五重塔は完璧なバランスで、ひとつの絵そのものになってい...
■岩船寺: (写真:岩船寺山門) (写真:秋の花咲く境内) 岩船寺は花のお寺として知られている。 四季折々に、 春 ― 桜、つつじ、みやこわすれ 夏 ― 紫陽花、睡蓮、百日紅 秋 ― 紅葉(11月下旬) 冬 ― 梅、みつまた、椿 などの姿が楽し...
西ノ京駅を出て薬師寺の参道へ入ると、すずなりのムラサキシキブが迎えてくれ、程なく薬師寺の興樂門の前に出た。 2つの塔が並んで立つ姿は、なだらかなこの辺りの風景の中で目を惹き、印象的だ。 明治時代に日本の寺社の文化的価値を国内外に伝えたフェノロサ...
今回の吉野行きの最終目的地は、西行庵だった。吉野の地図では一番奥まったところにある。 吉野のそのような奥深くに3年ほども暮らしていたという西行は、平安時代末期から鎌倉時代の世に生きた歌人であり、出家した僧でもあった。もともとは上皇に仕える武...
桜の開花の声を聞くと、そわそわしてしまう。桜の花の季節が1年で春の短いほんのいっときだからこそ、その姿を十分堪能し見届けたいと願うのは、私だけではないだろう。 坂口安吾の「桜の森の満開の下」では、一面の桜の妖しいほどの美しさが描かれている。その...
京都の東山、丸山公園近くの広場の一角に、巨大な門がそびえ立つ。木造の門としては世界最大規模という、圧倒されるような重厚な造りである。三門と呼ばれるこの大きな門の下をくぐると、その向こうには男坂と呼ばれる急な石段が続いている。 知恩院は浄土宗...
京都駅で手に取ったちらしの中に、美しい景色の写真を見つけた。その景色の中に身を置いてみたくなって、このお寺を訪ねることにした。 青連院は、京都の中でも特に寺社が多い東山と呼ばれる地域に位置している。 訪れた門の前でまず出会えるのは、伸び伸びと見...
古都・京都の玄関口である京都駅は、人の流れも途切れることがない。乗り降りする人の数は駅全体でみると1日平均で60万を超えるという。 初めてこの京都駅構内に立った時、ダリの「サンチャゴ・エル・グランデ1957年」という絵のイメージが私の中では重な...
この辺りは今、急速に大きく変わりつつある風景なのだろう。 近くの駅もほんの2年ほど前に出来たばかりらしい。 向こうには林を切り崩した造成地に建設中の建物が並び、 クレーンが空に伸び、 あちらの方とすぐ手前にはマンションの群れが重なっている。 ...
近鉄線で奈良へ向かっていると、途中で車窓の外に広大な空き地が広がる場面に出くわす。何だろう?と初めは思っていたが、そのうちに奈良の都の跡か、と思い至った。よく見ていると通り過ぎる広大な空き地の中に「平城宮跡」という看板が、ぽつんと立っているのも...
秋の午後、近鉄奈良駅前の道は行き交う人で賑わい、外国人観光客の姿も多い。ここからほんの数分で、興福寺の境内に至る。和銅3年(西暦710年)に創建され2010年には創建1300年を迎えるというこのお寺は、ちょうど今、創建当初の「天平の文化空間」を...
キンモクセイの香りが漂い始めた頃、再び三輪を訪れた。今回は大神神社にお参りした後、山の辺の道を通って桧原神社まで行ってみよう、と軽い気持ちで行きの電車内で決めたのだが…。 JR三輪駅近くからも見える巨大な「大鳥居」から、三輪山を眺めながら歩き始...
標高約2300m。ここで人は文字通り「雲の上の人」になる。眼下に遠く「下界」があり、その上に雲海が広がり、その上に小屋がある。7月上旬、上の方はまだところどころ雪が残っており、水は雪渓から生まれたての雪解け水が長いホースで引かれて小屋まで届い...
ゴールデンウィーク明けの平日の早朝、小田急線の渋沢駅。ここは丹沢表尾根の玄関口として知られており、北口のバスターミナルに発着する「大倉行き」バスには、次々とザックを担いだ人々が乗り込んできます。6時台でも20人近くが乗車してきました。表丹沢は東...
そこには水があります。そこには木があります。そこには四季折々の花が咲いています。野鳥が集まります。人が集まります。小動物もそしてもちろん虫たちも…。 都内唯一の水郷公園といわれる水元公園。そこには自然の水辺の景観を残した、バードサンクチュアリと...
鞍馬には、仲間達と何度か冬の朝に訪れたことがあります。皆と参道の坂道を登り、本殿にお参りし、昇ってきたばかりの朝陽を浴びたりしてから来た道をまた戻ったものでした。今回はまだ行ったことのない”魔王殿”を目指して、1人での行程です。 バスで鴨川上流...
電車が最寄りの三輪駅に近づくと、夕方の空にそびえ立つ巨大な鳥居が車内からも目をひきます。私が駅に着いたのは日差しもかなり傾いた頃でした。 駅を降りると出ていた神社への案内には「日本最古の神社」とありました。線路を渡り、山が迫っている方に向かい5...
― 「大原に何があるんですか?」 ― 「何があるって、…雰囲気自体がいいよ」 こんな会話がきっかけで、以前友人に勧められたこの場所を、今回初めて訪れてみました。 京都駅から大原行きのバスに乗ると、1時間ほどで終点の大原に着きます。途中、比叡山...
伊豆の観光地として知られている伊豆高原の南に、太平洋に面した森がある。それは「赤沢」。 私とパートナーのティム・マクリーンが心惹かれ、住居と仕事場を構えるようになって10年。 家から南方向へ、赤沢海岸まで歩いて10分ほど。散歩の時はなぜかいつも...
まるで巨大な岩のような大木に皆さんお目にかかったことがあるだろうか? 圧倒的な存在感とその生命力を感じ、声を上げたことはあるだろうか? 静岡県熱海市、温泉と海の町にひっそりと佇む来宮(きのみや)神社の一角にエネルギーに満ちた場所がある。そう、...
火山から吹き出した溶岩と海が出会い、起伏の激しい地形を織成す伊豆高原。 この地域一帯は国立公園にも指定されている。そんな自然の中に調和した木造建築が美しい温泉 旅館がある。そう、今回のSQな場所は知る人ぞ知る伊豆の名旅館“花吹雪”である。 花吹...
「猫はコタツで丸くなる」といわんばかりの寒さが続く季節。 この季節、外出する機会はめっきり減る一方。 ましてや運動なんて御免だという声がそこら中で聞こえてきそうだ。 そんな寒さの中、田園調布のとある場所へ取材に向かった。 ...
新しい年の幕開けから既に1ヶ月が経とうとしておりますが、皆様はお正月をどのようにお過ごしになったでしょうか? 家内安全、無病息災、交通安全… 年明けの初詣といえば日本中どこもたくさんの人々で溢れかえっています。 今回のSQな場所は、以前インタビ...
今回は御茶ノ水駅からビル街を少し歩いたところにある都内のパワースポット、神田明神にお邪魔した。 神田明神は正式名称では神田神社と呼ばれ、天平2年(730)創建された。すでに1300年近い歴史を有する江戸庶民の守り神として古くから知られおり三柱の...
空【ku:】という空間に足を踏み入れた瞬間、私の中で何かがほどけて行くのを感じました。 陽が沈むのをぼんやり見つめ、お料理を待つひととき…。 調理場から漏れ聞こえる包丁の音…。 この日の私の服装は仕事帰りということもあり少しカッチリしたワイシ...
皆さんは三重県の二見という土地をご存知でしょうか? 伊勢に天照大神(あまてらすおおみかみ)をお連れした倭姫命(やまとひめのみこと)があまりの美しさに二度振り返って見たことからその名がついたという伝説が残り、神の存在を知らせるかのごとく澄んだ空気...
晴々とした秋の日、今や若者の町となった原宿駅に降り立った。 駅の東側は若者の賑やかなお店が立ち並び、一方駅の西側といえばうっそうと生い茂った森が私たちを出迎えるという対照的な風景が印象的だ。 今回はみなさんもご存知の通り、原宿駅から徒歩一分のと...
朝夕の気温が下がり山の木々がほんのり色づき始めた秋の初め、山に囲まれた温泉地近くの滝を訪れた。 群馬県沼田市にある「吹割(ふきわれ)の滝」は、昭和11年より国の天然記念物に指定された日本有数の瀑布である。その壮大さゆえ、東洋のナイアガラと呼ばれ...
晴れた日の昼下がり、京王線井の頭公園駅のホームに降り立ったとき、周りは青々とした緑に囲まれていた。一瞬、都会を忘れさせる静けさと鳥のさえずりにふっと心安らいだ。 今回は、JR「吉祥寺駅」から徒歩5分という立地で、平日でも気軽に立ち寄る人々や、近...
羽田発8:00のフライト。 鹿児島到着9:40 そこへは鹿児島経由で飛行機か船に乗り継ぐ。 鹿児島発10:25 ここから例の40人乗りプロペラ機に乗り越え。 これが悪天候の時は恐ろしいほど揺れる。 幸い、好天気のため大きな揺れもなく11:10...
料理が大変おいしかったというだけでなく、食事空間も含めてこれだけ身も心もリラックスしたやわらかな気分を味わえたのは、初めてかもしれません。 東急東横線の祐天寺駅から10分ほど歩いた閑静な住宅地の中に、「菜懐石 仙(なかいせき せん)」はあります...