朝夕の気温が下がり山の木々がほんのり色づき始めた秋の初め、山に囲まれた温泉地近くの滝を訪れた。
群馬県沼田市にある「吹割(ふきわれ)の滝」は、昭和11年より国の天然記念物に指定された日本有数の瀑布である。その壮大さゆえ、東洋のナイアガラと呼ばれている。
道路を横目に長い階段を下ってゆくと川が見え始める。川の流れる音が聞こえ始める。滝からであろうか、水が水面に叩きつける音も小さいながら聞こえはじめ、その音が耳に心地よい。
川沿いの整備された歩道を少し歩くと、だんだんと水の音が大きくなり滝が見え始める。
滝を目にしてまず驚いたのがその大きさである。さすがはナイアガラと呼ばれるだけの広大さを有した滝。川底を割るかのように川の水が崖から流れ落ちている。滝の流れは1つではなく複数有り、滝と共に周りの木々が実に様々な表情を見せてくれる。
川、滝の周りをぐるりと囲んだ歩道をさらに歩くと、山の上から瀑布を見下ろすことが出来る。山上の木々の間から見ることの出来る滝は、付近で見る滝とは違い、激しさではなく何か優しさを感じることが出来た。
吹割の滝には、滝壺が竜宮へつながっているという伝説が昔からある。滝を眺めているとその美しさから伝説が本当なのではないかと感じる程であった。とても神秘的な雰囲気を感じることができる。
自然でしか見ることの出来ない色に魅せられる周りの山々、その間をゆっくりと流れる川、そして滝となり落ちてゆく水。吹割の滝は、改めて自然の壮大さを感じることの出来る場所である。
(取材・文:万年将人)














