
まるで巨大な岩のような大木に皆さんお目にかかったことがあるだろうか?
圧倒的な存在感とその生命力を感じ、声を上げたことはあるだろうか?
静岡県熱海市、温泉と海の町にひっそりと佇む来宮(きのみや)神社の一角にエネルギーに満ちた場所がある。そう、国宝指定天然記念物「樹齢二千年を越える大楠(おおくす)の木」である
出逢った瞬間、私の口からは自然と驚きの歓声がこだましていた。
日本最樹齢として今なお生き続けるその姿になんとも言い難い気持ちに駆られたのを今もよく覚えている。当たり前だがこの大木は紀元前から今私達の生きる現代まで日本を見守ってきたわけだ。
生死、戦争、改革、平和、技術革新、人間模様…移り変わる時代とそこで織成す人間の美しい部分、醜い部分もすべて見てきたこの大楠の木。文句一つ言わずにただそこで二千年もの間、私達を見守っている。まるで日本の母のように。今、この大木は何を思うのだろうか。
そんなことがふと私の頭の中をよぎったのである。

その後、大木の周りを一周してみることにしたのだが、いやはやなんとも太い幹である。二十人も居ればこの大木を囲めるのだろうか、大木を見上げればその高さはビルの6、7階に相当する。
また、この来宮(きのみや)神社には古木の妖精が現われるという。
おとぎ話に出てくる羽の生えた妖精ではなく、体長30センチくらいのお爺ちゃんだそうだ。
大木の周りをピョコピョコ周っているというが実際のところは皆さんに直接見に行って確かめてほしい。
古代の日本民族は、大きな木、岩、滝など巨大な自然創造物に神々が宿っていると信じ、祈りを捧げてきた。美しい四季を感じて育まれた人々の心と文化があり、森羅万象に満ちた国であるということ。
その意味が今回の取材でなんとなくではあるが解りかけてきた気がする。
「すべては自然ありきの人間なのかもしれない」














