この辺りは今、急速に大きく変わりつつある風景なのだろう。
近くの駅もほんの2年ほど前に出来たばかりらしい。
向こうには林を切り崩した造成地に建設中の建物が並び、
クレーンが空に伸び、
あちらの方とすぐ手前にはマンションの群れが重なっている。
その間にこの公園が開けている。

ここは幾つかの緩やかな曲線と階層をもった空間で、
小高く立つ時計台が、何とも象徴的に感じられる。
上から眺め下ろすと、全体がまるで舞台装置のようだ。
そこを家路を急ぐ人が横切り、散歩をする人が道を巡り、
ベンチで憩う人が居て、子供達が遊んでいる。
それぞれ別な人達のそれぞれの瞬間が、
この同じ空間の中でほんのいっとき交差する。
この位置から眺めると、この瞬間の全体が、
調和したひとつの絵や舞台、映画の1シーンのようだ。
今、時間は私のお気に入りの夕刻だ。
その日最後の陽の光を受けて、ゆるいカーブの道が浮かび上がり輝いている。
向こう側から建設現場の工事の音が景色の一部のように聞こえてくる。
夕方はどこか特別な時間帯に思える。
昼と夜が交じる時だからか、その日が終わってしまう名残惜しさがあるからなのか。
寒空の下、行き交う人は冬だからか皆黒っぽい格好で、
ほとんどシルエットのようになっている。まるで点景のようだ。

私はここから見えている街並みのことも眼下の人々のことも知らないが、
ここから見えている1つ1つの窓の奥、1つ1つの人影には、
たとえ今ここから見えないとしても、
その中に確かにそれぞれの生活や思いが宿り息づいているということを考えている。
当たり前の何でもないようないっとき、1シーンに愛おしさのようなものを感じ、
そして、どこか懐かしいような気分になる。
ここでは回廊のような道をゆっくりと巡ったり、
所々のベンチで辺りを眺めながら過ごすことができる。
点になって動いていた側にいた自分は今、
この小高い場所から、眼下を人が行き交う様子を眺めわたしている。
ここは、ひと息ついて全体を俯瞰し見渡す目を、いっとき取り戻せる場所だ。
(取材・文:テジマアキ)














